LUNATIC DAWN

 思えば第一作めは、だだっ広い平原の所々に街があり、ダンジョンがあり、街の宿屋で依頼を受けて宅配や退治などをこなすというゲームでした。特にグラフィックが綺麗なわけじゃなし(というかお粗末だった)、その頃の基準としても地味なゲームだったと思います。

 どこが目新しかったかというとまずダンジョンがランダムで作製されるところでしょうか。潜るたびに構造は変化し、モンスターを退治してもしばらくすると別のモンスターが住み着きます。またパーティは街にいる冒険者を適当に見繕って自分で作ります。実際に異世界で冒険者をやっているような感覚が味わえるゲームでした。

 しかーし、同時にこのゲームはいろんな意味で「実験作」でした。まずとにかくバグが多い。ダンジョンに入ろうとすると時々中に入れないし、依頼を受けて買い物に行くと目的の品物はなくなっているし(ちなみにこの伝統はいまだに受け継がれています。時間切れ、という要素もあるようですが、どうもバグくさい)、よく止まるしついでに重い。そのころはまだ386/16MHzという代物を使っていたので仕方ないですけど。

 二作めは一作目の弱点であったビジュアル面が大幅に改良されました。また世界構造はある程度固定され、その中で状況が有機的に変わっていくものとなりました。たとえば前に護衛依頼を受けて誰かを護衛していったらその人が前の町に忘れ物をしていてそれを届ける仕事ができるなどという具合に、物語の連続性が多少できたのです。

 しかしこの二作めには致命的といえる問題があります。それは戦闘。ダンジョンでパーティを組んで戦う時、敵との間に壁があって回り込む必要がある場合、味方のキャラは敵に一直線に突き進み、壁の前で停止するのです。結局自分一人が壁を回って敵に肉薄し、叩きつぶさねばならないと言うろくでもないプログラムがしてありました。

 三作めは私はやっていません。第四作がこの第三作目のシステムをちょっとだけいじったものだったので、第四作をやった私はわざわざ第三作目を買う気にはならなかったのです。

 第四作めはかなり洗練はされていました。しかしバグの多さはあいかわらずで、しばしば不可解な動作をしていました。また(特にNTでは)かなり重くなっており(DirectXなんか使うから)、さすがにその頃使っていたPentium/133MHzでは辛い感じでした。しかも止まる止まる。バグパッチが届いてからはまあマシになりましたが、それでもバグはとりきれていない感じですね。

 色々書いていますが、私はこのルナドンシリーズは大好きです。まだまだ実現できていないとはいえ、その「異世界で実際に冒険者になったようにプレイできる」というコンセプトは非常に期待の持てるものです。

 そのルナティックドーンシリーズで最大の不満点はバグの多さでも動作の重さでもなく、「比較的簡単に最強になれ、最強になったら面白くない」ことです。きちんと手を抜かずにプレイしていれば二十代後半ですべての能力地が100、もしくはアイテムの力を借りて120程度になります。武器、防具もちょっと同業者を襲って殺して奪うとか、仲間になっておいて見殺しにして奪うとかすれば最強レベルのものが手に入ります。そうなると強すぎて相手がいなくなるんですよね。そりゃ魔王とか相手にすれば別かもしれませんが、そんな何十年にいっぺん出てくる輩のためにずっとプレイしませんし・・・。私の最強のキャラ(ゲンドウくんと名乗っています)は能力値100レベルの冒険者の五人パーティあたりと対戦してもまたたく間に全員を屠ってしまうという強さで、あまりに強すぎて面白くなくなってしまいました。次回作ではこのあたりの改善をお願いしたいものです。

 …と言いながらここしばらくその存在を忘れていたのですが、まだやってたんですね。しかしPS2版はちょっとルナドンとしてはどうかと思います。これじゃ普通のRPGじゃないかなぁ。

人の山田様が見てる

凉武装商隊 since 1998/5/19 (counter set:2004/4/18)