ガンパレードマーチ

 ほとんど宣伝らしい宣伝をしなかったのに口コミでひろがったゲームです。今でも傑作と思うゲームを挙げよ、と言われたら確実に出てくる作品です。

 世界設定がまたすごい。二次大戦中に突如『幻獣』とよばれる正体不明の敵対生物が発生。各国はその脅威の前に戦争どころではなくなり、果ては核まで使うのですが効果は薄く…50年後もその戦争は続いていました。世界の大陸の大半は幻獣に制圧され、人口は激減。そしてついに島国日本にも幻獣は上陸してきたのです。

 自衛軍はあっさりと全滅。ここに政府は学徒動員をかけ、臨時の学生軍が時間を稼いでいる間に正規軍の再編を行うこととします。要は学生を捨て駒にしようという計画です。

 物語は学徒動員をかけられて戦車学校に集められた生徒の一人、速水の入学から始まります。

 ジャンルは…なんとも言えないです。戦闘は戦術シミュレーションだし、学園パートは本当になんでも出来るアドベンチャーです。しかしRPGでもありますね。ジャンル・ガンパレとでも言いますか。

 学園パートの特徴はなんといってもその自由度の高さ。冗談ではなくやりたい事がなんでも出来るといってよいほどの自由度です。この手のゲームならばやっぱりエースパイロットとなってヒーローを目指すというのが一般的なのですが、ガンパレではプレイヤーは整備兵にもなれるし、指揮官にもなれます。ひたすらみんなに喧嘩を売りまくる嫌われ者にもなれるし、二股をかけるタラシにもなれます。女子トイレに潜入するもよし、靴下を集めまくるもよし。

 もちろん女の子(あるいは男の子)と仲良くなってもOKです。メインヒロインの舞だけではなく、登場人物の大半と恋愛関係になることができます。ただし二股がバレると人によっては後ろから刺されますので注意してください。

 戦闘も楽しいです。しかし戦力バランスはキツく、また容赦なく学友が戦死します。恋人でもやられれば戦死しますので注意してください。あ、でも、恋人が死んだら確か残された方に勲章がでたような…。勲章集めのマニアの人は一度は恋人を殺されないといけないのか。

 「実戦部隊の三割がやられれば実戦では負け」との講義のとおり、味方の三割以上が損耗すると撤退する事になります。そうなると土地も失いますし、なにより自分の撃破スコアを伸ばすことができません。そこでガンパレード・マーチを唄う技能を身につけていれば、敵味方とも全滅するまで戦うことになり、その中でスコアを伸ばすことができます。もちろん結果として味方が壊滅、ゲームオーバーと言うことも当然あるので使いどころには注意が必要です。

 その膨大かつやりきれない裏設定も魅力的。とにかく奥の深い、非常に素晴らしい作品です。

 欲を言えばPC版で出してくれないでしょうか。PSの画面ではマップが見にくくて戦闘がやりにくくてたまりません。

人の山田様が見てる

凉武装商隊 since 1998/5/19 (counter set:2004/4/18)