おねがい☆ツインズ

紹介

 両親に捨てられて施設で育った神城麻郁。彼の手元にはただ一枚、幼い頃の麻郁と、共に写っている幼い少女の写真がありました。記憶にはないけれど、写っているのは双子です。一人は自分、もう一人は姉か妹か……。彼はその手がかりをもとめて写真の背景に写っている家に住み、プログラムのバイトをしながら一人暮らしをしていました。もしかしたら、自分の肉親とのつながりが何かあるかもしれない、と期待して。

 やっと一人暮らしにも慣れたある日、彼の元に一人の少女が訪ねてきます。同じ青い瞳を持つその少女は宮藤深衣奈と名乗り、自分が麻郁の双子だ、と告げるのでした。証拠はこの瞳と…そして、麻郁の持っているものとまったく同じ一枚の写真。麻郁は戸惑いながらも深衣奈を一晩泊めることにします。

 ところがその夜、さらにもう一人の少女、小野寺樺恋が現れました。やはり同じ写真を見せながらこれまた同じ青い瞳で…。

 幼い頃に母に捨てられた反動で「肉親を見捨てない」と決意する麻郁。そして養父の破産で家に戻れない樺恋、事情があって家出をしてきた深衣奈。彼らは同居生活を送ることになります。しかし樺恋と深衣奈は麻郁の不器用な優しさに触れ、恋心を抱いてしまいます。

 どちらかは双子、どちらかは他人…。兄弟なら家族になれるけど、他人なら恋人になれる。三人の関係は微妙なバランスを保ちながら揺れ続けます。

レビュー

 なんとゆーか、ラブコメもののお手本!これほど隙のないラブコメアニメは久しぶりです。もう甘くて切なくて恥ずかしくて、こちらが赤面するようなせりふと展開。こういう感覚は…そう、ゲームで言えばファーストKiss☆物語とか、くすりゆびの教科書とか!漫画ならきまぐれオレンジロードです。またはちさんはこーいうものが大好きです。

 三人で過ごすようになり、深衣奈と樺恋が麻郁に恋をし、「恋愛同盟」を結んでぬけがけなしを誓い合い、「おねがいティーチャー」の登場人物達も交えながら夏を過ごしていく物語。

 肉親なら麻郁とずっと一緒にいることが出来る、ここに住める、それにずっと欲しかった家族が出来る。けれど、麻郁と恋は出来ない。他人なら、他人なら恋は出来るかもしれない。けれどそうなったらこの家にはいられない。そんな二律背反に悩み苦しみながらも精一杯恋をする二人の少女がとても魅力的です。

 絵も素晴らしく、音楽も良し。演出もテンポも文句なしの傑作です。ここまでクオリティの高いラブコメものはそうそうないですよ。ラブコメってのはこれでなかなか難しいジャンルなのです。その手のものが好きな方は是非観てください。

人の山田様が見てる

凉武装商隊 since 1998/5/19 (counter set:2004/4/18)