LASTEXILE

紹介

 プレステールと呼ばれる世界。そこにはアナトレーとデュシスという国があり、互いに争いを繰り返しています。アナトレーの街に住む少年、クラウスは父の遺品であるヴァンシップという小型飛行艇に乗って、幼なじみで相棒のラヴィと共に運び屋をしていました。

 二人はいつかグランドストリームと呼ばれる永遠に続く巨大な嵐を越える事を目標としていました。二人の父親は共にその嵐の向こうにあるデュシスへの和平文書を運ぶ途中で命を落としたのです。

 ところがある日、クラウス達はこの世界の真の支配者、ギルドの戦闘機に追われているヴァンシップを発見。その『積み荷』であったアルヴィスを瀕死のパイロットから託されます。その時から彼等はアナトレーとデュシス、そしてギルドの世界をかけた戦いに巻き込まれて行くのでした。

レビュー

 キャラデザは村田蓮爾、製作はGONZOと言うことで極めてレベルの高い作品となっています。GONZOの作品って本当に「とても良い」か「どうでもいい」かの二択になってきているような……。とにかくこの作品は文句なし。グラフィック的にもそうですし、物語としても非常に完成度が高く、傑作とよんでよい作品です。

 ただ公式ページはflash使いまくりでうっとうしいです。

 それはともかく、おとなしい顔をしていながら結構芯が強く、でもそれなりに道理を弁えたクラウスはなかなか良いです。昨今子供の我が侭にすぎない事を偉そうに怒鳴りながらなぜか結果だけは手にしてしまう少年主人公が多いせいか、クラウスのありようは好感度高いものでした。他のキャラもしっかりと描写されており、脇役に至るまで存在感があります。

 ヒロインはやはりラヴィとタチアナということになるのでしょう。作中ではそれほど派手に二人の鞘当てが見られたわけではありませんが、これはクラウスがあんまり恋愛事に積極的にならないせいもあるかな。

 初期の企画ではアレックスが主役だったのですが、途中でクラウスの視点で物語を描写することになったようです。しかしアレックスは今でもLASTEXILEの裏の主役です。結局はこの男の意志ですべてが動いたのです。

 戦闘シーンは素晴らしいの一言です。CG技術もここまでくれば文句なし。オープニングの銃兵同士の撃ちあいも音楽とあいまって背筋がゾクゾクするほど格好良かったですが、戦艦同士の戦いもまた美麗なものでした。しかしその裏で一般兵士達は血を流しながらズタズタになっていくところもしっかりと描写されています。

 音楽もレベルが高いものです。ここまですべてのクオリティが高いと言う事なしですね。未見の方はぜひ一度ご覧ください。近年の傑作というにふさわしい出来であると断言します。

人の山田様が見てる

凉武装商隊 since 1998/5/19 (counter set:2004/4/18)