私立郁文学園 人物設定1 [あつあつ]

斉藤 匡輝 [さいとう まさてる] 3-11

 郁文学園三年生。一年のころから看板に関ってきており、最後の大運動会で今までの集大成となる作品を作ろうと張りきっている。美術部副部長でもあり、有名なものではないがいくつか水彩で賞も取っている。

 特に図太いわけでも横柄なわけでもないのだが、感情が素直に表情にでないタイプで誤解されやすい。口調も変わらず言葉は常に冷静適確なので外からは冷たい人間に見えてしまい、親しい友人以外からは『鉄仮面』とか『冷血』などと陰口をたたかれる事もある。

 人は人、と必要以上に他人に深入りしない方だが、人の気持ちには結構敏感なところがある。ただし自分に向けられる好意に対しては鈍感…というよりも自分が他人に好かれることがあるとはあまり思っていないらしい。自分の能力には自信があるのだが、その方面だけには自信がないのである。

 弟が二人いる。五つと七つ下なのだが、どちらも兄貴を大好き。母親はものに動じない人で、親父はかなりのくせものである。

武東 結香 [たけとう ゆか] 2-5

 郁文学園二年生。長い黒髪と気の強そうな猫目が特徴的な少女である。

 実家は代々武東流という薙刀の道場を経営しており、結香も子供の頃から薙刀を始めとする武術を習得してきた。本人が好きであったこともあって今ではかなりの腕前となっている。ただし薙刀部には所属していない。

 ちょっと気が強くて意地っ張りなところもあるが明るい性格で、さらに可愛い系の美人、スタイルも良いときては人気のないはずがない。二年女子の中では五指に入ると言われる一種のアイドルである。

 出来の良い姉がおり、本人はその姉にいつか追いつき追い越そうと思っている。そのため今まではもてるのに男などに目もくれず、武術と勉学に励んできた。姉の真似をして容姿を磨く事も忘れてはいなかったが、男にもてたいわけではなくてあくまでも姉を越えたいからと言うだけである。恋愛に関してはまだまだ奥手。

 父母の仲は良好で姉も妹を溺愛している。ただし姉はいわば彩と同じタイプで、愛する人ほどいじめたい、という困った人でもある。

蓮馬 彩 [はすま あや] 2-5

 郁文学園二年生。結香の親友の一人で、その楚々とした容姿と丁寧な言葉づかいもあって一般にはお嬢様として知られている。確かに父親は大会社の社長であり、間違いなくお嬢様ではあるのだが、性格は見た目とは違う。イタズラ好きでちょっと意地悪をして人をからかうのが大好きという困ったお嬢様なのだ。親しい友人はだいたいその餌食となる事を覚悟した人間である。

 匡輝が見掛けよりも付き合いやすい人間だと言う事を知り、友人となる。しかしちょっとひねたところのある彩と芯が強いわりにそれなりにうろたえる匡輝は相性が良かったらしく、彩はだんだんと匡輝に好意を持つようになる。

 本当の自分を知ってほしい…などと言うことはまったく思っていない。典型的な育ちの良いお嬢様の自分と少し意地悪な本性をうまく使い分ける事が大好きである。しかし苦手なのは素直に自分の本心を語ること。人の恋愛事は幾らでも余裕を持ってからかったりできるのにこと自分のこととなるとからっきしである。また自分なりの美学があり、格好をつけたがる見栄っぱりな所も強い。

 実は銃器に興味があり、部屋にはモデルガンが何丁も飾ってあったりする。実弾射撃の経験もある。部活は当然銃火器部…と思いきや、そんな部はさすがの郁文学園にも存在していないので代わりにサバイバルゲーム部に入っている。

 兄が一人いるがもう結婚している。父母間の関係が冷却しており、父は事実上別居していて滅多に家に帰っては来ない。母はもう諦めているのだが、父も母も好きな彩はどちらにも不満を持っている。父は娘が学園を卒業したら即結婚させるべく見合いの話を持ってきていて、彩はそれも相当不満である。

田近 かなみ [たなべ かなみ] 3-4

 郁文学園三年生。北軍の看板長でその意味では匡輝のライバルになる。

 生まれつき髪の色素が薄く、また目鼻立ちのはっきりした美人なので派手な印象がある。さらに本人も恋愛に興味があって彼氏が欲しい、と思っているので誘われるとデートにはいくことが多い。しかしどうにもピン、とこずにそのまま終わり。二度続いたことはない。キスすらしたことはないのに周囲には恋愛経験豊富と思われている。

 面倒見が良くて竹を割ったような性格をしており、男女共に人気が高い。特に後輩の女の子に対して絶大な人気を誇る。『お姉様』と呼ばれる事も多いが、本人はレズっ気はまったくない。運動能力がかなり高く、結香以上に足が早い。今でも時々陸上部に入っていれば、と惜しまれる。ちなみに部活は映画鑑賞部。

 少々見栄っぱりな所があって人に頼られるのはいいが頼るのが苦手。弱みを見せるのは自分らしくないと思っている所があるのでついつい実力以上に頑張りがちである。しかし看板に関しては素人で、正直どうやっていいのかわからずに悩んでいる。

 映画好きでよく映画館に通っている。特にヤクザ映画と純愛映画が好き。

 双子の妹がいるが年は八つも離れている。母が亡くなっているのでいわばこの双子の母親代わりでもあり、その妹たちが可愛くて仕方ない姉馬鹿でもある。父親はテレビの脚本家。再婚の予定はない。

 5月11日生まれ。アクセサリーには特に興味はないが、誕生石でもある翡翠の指輪は欲しいと思っている。

康邦 静花 [やすくに しずか] 1-16

 郁文学園一年生。いつも明るく元気な娘で、子犬ちっく。誰に対しても人懐っこく、皆に好かれている。女の子には嫌われそうだが本人に嫌味がないことが誰でもわかるので嫌うに嫌えない。皆に可愛がられていつの間にか集団の中心になっている(ただしまとめ役には絶対不向きな)タイプ。

 能天気でお馬鹿かと思いきや、実は人の気持ちが分からなくて悩んでいる一面もある。自分は開けっぴろげなのに人はそうじゃないらしいと気づき、自分には全部を見せてくれないのはどうしてだろうと最近気にしている。他の人が自分ほど天真爛漫で無邪気ではないと言う事にまだ気づいていない。

 ちょっとした冒険の後に主人公に助けてもらい、それ以降「命の恩人だから」と言う理由でなつく事になる。

 実は酒好き。部活は探検部とか言う謎の部に入っている。

 実家は知る人ぞ知るヤクザ(テキヤ系)の家系であり、父親はある大組織の幹部である。主流派ではないが、古い家柄なので発言力はある。この付近の祭に露店を出したければ康邦の親分に話を通さずには不可能な事である。ただし娘たちはあまり家業に興味はなく、父親も娘に婿を取って継がせようとはあまり真剣に考えてはいない。若頭に有能で実直な男がいるのでそいつが後を継いでくれればよい、と思っている。

明郷 すずな [あけさと すずな] 1-4

 郁文学園一年生。物静かな少女。たくさんの人の中に入ると恐怖感を感じ、ひどい時には気を失ってしまうという神経症で、運動会などの集団行事に参加することができない。そこでやむを得ず屋上などから皆が運動会の準備をしているのを見ている。

 明るい人がちょっと苦手で、冷静な話し方をする人と話す方が好き。苦手と言っても嫌いなわけではないのだが、テンションの高い人にはついていけなくて困ってしまう。

 優しくて人の気持ちに敏感で実はかなり好奇心旺盛。打ち解ければ結構お話しをしてくれる。したがって周囲の評判も悪くなく、実は隠れファンも多い。

 空を飛ぶ物が好き。鳥も虫も飛行機も。将来はグライダーを所有したいと思っている。航空研に入りたかったが今のところ部活には所属していない。

 一人っ子で、昔からお兄ちゃんかお姉ちゃんが欲しいとずっと思っていた。父親は船員で、現在タンカーに乗っているので家にはいない。母親は出版社の編集をしているのでこれまた帰ってこれない事が多く、いつも家で寂しい思いをしている。

人の山田様が見てる

凉武装商隊 since 1998/5/19 (counter set:2004/4/18)